と悩んでしまう方は多いのではないでしょうか。
そんなことはありません。
実は、上手に距離を保てる人は、ある共通点があるんです。
それは、セルフディスクロージャーが自然にできているという点です。
あえて横文字で紹介しましたが、セルフディスクロージャーとは、心理学的に言うと、自分の悩みやプライベートに関することを打ち明ける行為を指しています。
つまり、自己開示です。
アメリカの社会心理学者である、ゲイリー・ウッド(GaryWood)博士によると、正しく自己開示することは、相手と距離を縮める大切なプロセスであると述べています。
話題選びに困ったり、中々距離を縮められないという方は参考にしてみてください。
相手と距離を縮めるために、なぜ自己開示が大事なの?
自己開示で、よく勘違いされがちなのは、
自分の凄さ、経験などの自己アピール
自分は怪しくないよ!などのアピール
など、自分を知ってもらったり、自己アピールすることが目的ではないんですね。
本来の目的は、『相手にも自己開示をさせる』
つまり、相手の情報を喋らせて、プライベートな部分を共有しようということです。
ですが、自己開示って中々難しいと思います。
相手にとっては、そこまで自分のことに興味ないんじゃないか…?と思ってしまうこともあるでしょう。
しかし、自己開示を正しくすることで、「私はあなたを信頼して、ここまで話してる」というメッセージにもなります。
上辺からの人間関係から脱出するためには、プライベートや秘密を共有することで、ぐっと距離を縮めることができます。
人は、自分のことを話した相手ほど好きになる
例えば、赤の他人よりも親友や家族になら、夢の話だったり、少し恥ずかしい話もできますよね。
それは、相手を信用しているから、できる行動だったり話題だったりするのです。
赤の他人に、自分の夢を語ったり、プライベートな内容を話せる人は少ないと思います。
つまり、相手を信頼させるには、相手の情報をたくさん話してもらえばいいのです。
話は少し変わりますが、占い師を信じてしまう理由も、これです。
占い師と、あなたとの間には特に利害関係はありません。
占い師から好かれようとか、嫌われるかな?とか思わないですよね。
むしろ、包み隠さず話すと思います。
自分のことを占い師にたくさん話すことで、占い師=信頼できる人だと錯覚してしまうんですね。
占い師のようになれ!ということではなく、「この人になら話しても大丈夫だ」と思わせることが重要です。
返報性の原理を使ったテクニック
あなた自身が、相手を信頼して自己開示することで、相手は自然と
「ここまで話してくれてるし、私も信頼して話してみよう」
と、同じ度合いの自己開示をしてくれるようになる可能性が上がります。
必ずしもというわけではありませんが、大切なのはお互いに自己開示をするということです。
数々の心理的原理が詰め込まれているベストセラー『影響力の武器』にも、【自己開示の返報性】と呼ばれる心理作用について紹介されています。
自分から自己開示することで、相手も同じ程度の自己開示を返してくれるというものです。
実は様々な場面でも使える
今回は、恋愛に限った話だけでなく、ビジネス場面や友人を作りたいというシーンでも効果があります。
初対面の場面では、他愛のない世間話や日常会話をするかと思いますが、もう少しプライベートな話を自分からすることで、相手もオープンになり、距離を縮めることができます。
相手の深い話やプライベートなことを知っていればいるほど、親しい関係だと認識されます。
ただ、あまりにマニアックだったり、ネガティブな自己開示をすることで、相手にドン引きされる…。なんてこともあります。
次の章では、ゲイリーウッド博士が実際に効果のある話題について、紹介します。
信頼関係を構築する話題選び10選
そんな人に、実際どんな話題が効果があるか、ゲイリーウッド博士がアドバイスしてくれています。
その、話題10選とは、
- お金と健康に関する一般的な心配事
- 自分が神経質になったり、イライラしてしまうこと
- 人生で幸せだと思うこと、喜びだと感じること
- 自分が改善したいこと(健康、性格、キャリア、スキルなど)
- 自分の夢、目標、野望など
- 自分の性に関する悩みや性生活について
- 自分の弱点や、自分の嫌だと思うところ
- 自分の趣味や、興味があること
- 自分が怒ってしまう出来事、そのとき取る行動
- 恥ずかしかった経験や、罪悪感を覚えた体験
これらの話題は、必ずしも全て話す必要はありません。
例えば、『趣味』や『最近興味のあること』については、話せても、
さすがに、初対面で性に関する話はしたくない…と思う人もいるでしょう。
例えば、3の幸せや喜びだと感じることを好きな人と共有しておけば、価値観が合うかという判断基準にもなります。
相手の価値観が知りたいという意味では、怒ったり神経質になってしまうことを詳しく聞くのもいいでしょう!
自分が体験した過去の恥ずかしい出来事を、笑い話に変えて、相手に伝えることができたら上級者ですね。
ユーモアも、人間関係を保つ上で大切なことです。
あくまで、この中で自分が話しやすいこと、面白いエピソードがあるよ!という、内容を選んで、話してみてください。
嫌味にならない自己開示方法
会話が下手な人の特徴として、インタビュアーになってしまう人がいます。
例えば
- ご出身はどこですか?
- お好きな食べ物はありますか?
- 趣味はなんですか?
これでは、インタビュアーになってしまい、相手を尋問しているような会話になってしまいます。
これを、上手く自己開示しながら
- 私は〇〇県出身なんですけど、〇〇さんはどちらですか?
- 私は普段お酒飲むのが好きなんですけど、〇〇さんは何がお好きですか?
- 映画をよく観るんですけど、〇〇さんは趣味ありますか?
と、さらっと自分の情報を出しながら、相手に質問しましょう。
そうすることによって、相手も不快感無く、情報を開示してくれます。
相手も自己開示をしてくれたら、欠かさず何か質問しよう!
自分から自己開示をしたら、同じ内容を相手も話してくれた!
という状況になったら、欠かさず何か質問してみましょう。
会話を繋げることができる人は、質問を上手にします。
もちろん、そんな気が利いた質問だったり、難しく考えたりする必要はありません。
いつ(when)、どこで(where)、だれが(why)、何を(what)、なぜ(why)、どのようにして(how)
など5W1Hを意識するだけで、簡単に質問は作れます。
相手が何かプライベートなことを話してくれたら、
いつ、あったの?とか、
誰と行ったの?など、
そんな他愛のない質問で大丈夫です!
欲を言えば、相手に情報を開示してもらうように、誘導できたらより効果を発揮できます。
例えば、答えやすい質問をしてあげたり、質問してほしいタイミングで質問したり。
まずいのは、わかったフリをしたり、相手の話を遮ってしまうことです。
質問の趣旨がわからなくならないように、端的に質問してみましょう!
自己開示の落とし穴︰自分の話を盛ってしまうこと
よく、裏切られやすい人がやりがちな行動として挙げられるのが、『話を盛ってしまう』こと。
相手に対して不信感を抱いてしまい、正直に話したら…嫌われてしまうのではないか?と不安になる、気持ちもわかります。
また、自分をより良く見せようとしてしまう気持ちもよくわかります。
しかし、自分が嘘を付いているということを、わかっていながら、相手に話してしまうと、他人を信じられなくなるループにハマります。
自分が嘘をついてしまうと、相手もどこか嘘を付いているのではないか?という思考になり、
結果的に相手が信じられない=信頼が構築できない
となってしまいます。
つまり、嘘をつくことで、自分から裏切られる状況を作ってるよ!ということです。
嘘偽りなく、正しく自己開示しましょう!
まとめ:セルフディスクロージャーは、どんな場面でも使える
- 自己開示=自己アピールではない
- 自己開示の目的は、相手にも喋らせるということ
- 自分の話題は盛らずに、ウソ偽り無く話す
- 相手が自己開示してくれたら、欠かさず質問する
いかがだったでしょうか!
今回は、セルフディスクロージャーについて解説しました。
恋愛だけでなく、様々な場面で使えますので、ビジネスや人間関係の幅を広げたいときなどにも使ってみてください。
使いこなせれば、人生豊かになると言っても過言ではないテクニックの1つだと思います。
なかなか、自分のことを話すことができない方もいると思います。
少しずつ、自分が自己開示できるところから、相手に話してみてください。
会話が苦手という方は、ゲイリーウッドさんの会話10選で、自分が話せるエピソードやネタをいくつか持っておくといいでしょう。